喜連川丘陵・簡単すぎ木工プロジェクト

一般社団法人 素木工房里山想研


プロジェクトの背景

杉桧は日本の山林に膨大にありながら私たちの身の回りにほとんど見かけません。これは、人工合成素材に比べ接合加工に熟練技能を要するなどから、インテリア家具類には利用されていません。また、山村地域では少子・高齢・過疎化が著しく地域再生に加え、杉桧人工林の改善・保全も重要な課題です。ここ「喜連川丘陵」は国内でも有数の里山地帯で、森林環境の荒廃が進む一方、生物多様性の宝庫でもあり、この里山の資質を活かすことが持続可能な地域づくりにつながる可能性を秘めています。

プロジェクトの目的、取り組み

プロジェクトの中心は、これまでにない新たな木工=『簡単すぎ木工』です。従来の木製家具といえば広葉樹が常識で、やわらかい杉桧はその接合強度や耐久性に問題があり用いられてきませんでした。また従来の木工は熟練技能が求められ、新素材があふれる現代社会では杉桧木製品は皆無だったのです。『簡単すぎ木工』により、里山に残された資源(杉桧、地元人材、廃校施設等)を活かして、新たな仕事や仕組みをつくり、持続可能な地域づくりをめざします。

協働パートナーとその役割の一例

山村地域における事業活動の最大の課題は、集客や販売促進です。また、プロジェクトの目的は森林環境や里山環境の保全と地域の活性化など多岐に及んでいます。この課題を克服し目的を達成するために、地域の行政・企業をはじめ各種団体等と協働連携しています。例①:地元の観光宿泊施設と連携した販売促進強化。例②:製作業の上流に当たる林業(地元の林業振興会)や、地元大学の森林科学科と連携した森林環境保全啓蒙活動。

これまでの成果

・地元雇用の創出:地元住民の雇用

・社会的弱者支援:退職者の再雇用、ファミリーサポート支援、障害者施設との連携模索

・生涯学習支援:木工体験・ワークショップの受入・開催

・地域活性化支援:廃校施設の有効利用による来訪者増、交流拠点提供

県民への参加の提案と、参加の方法

木のぬくもりなど杉桧のよさを知ってもらうことに加え森林や里山環境教育やものづくりの楽しさを味わってもらうために、木工体験を提供しています。廃校舎の空き教室を利用していますのでグループや団体の受入も可能です。また、施設は地域の交流館的な利用開放をしており、周囲の里山散策も可能で、里山森林環境の現状を知ってもらったり、森林浴なども出来るように、地元住民の理解と協力を得て、里山散策路整備も行うなど、地元ボランテイアの受入も行っています。

団体基本情報

団体名:一般社団法人 素木工房里山想研

住所:さくら市穂積478

ウェブ:http://mokkokan.is-mine.net/

メール:toru040401sobokukobo@yahoo.co.jp

電話:028-685-3841

会員数:2名

設立:2012年設立   3年目  

職員:有給職員 5名

年間支出規模:1千万円~2千万円未満

活動分野:子ども・若者 自然・環境 福祉 教育・人材育成 まちづくり

団体の活動内容

県東部の広大な喜連川丘陵の里山に残された廃校小学校を利用し、『喜連川丘陵の里 杉インテリア木工館』を平成24年7月にオープンしました。事業活動の中心は、日本中に膨大にある杉桧の利用推進をめざしたインテリア・オフィス家具類の『簡単すぎ木工』による製作販売と木工塾・木工体験等の運営です。

団体のミッション・ビジョン

再生可能資源の中で日本中に膨大にある杉桧を主材料にした木製品の普及により森林や里山の環境改善・保全を図り、その生物多様性保全・里山風景景観の保全・地球温暖化防止を推進することで持続可能な社会の構築に寄与することを目的としています。

社会に提供できる価値・貢献できること

山村地域の再生・活性化は困難を極めます。この山村地域に眠る森林資源・廃校施設・退職高齢人材を活かすべくこれまでにない新たな『簡単すぎ木工』を展開することで、①森林環境の改善・保全、②地元雇用の創出、③社会的弱者の自立支援・生涯学習支援、④地域の活性化等に貢献します。