ひとりでも多くの子どもたちが「生まれてきて良かった!」と実感できる地域づくりプロジェクト

NPO法人 だいじょうぶ


プロジェクトの背景

近代日本では、女性と子どもの人権がないがしろにされました。男尊女卑、家父長制の名残は、今も会社組織やお年寄りの意識、自治会活動の中などに根強く残っています。人権を認められない女性や子どもは、長く男性のパワーによるコントロールの対象でした。ここでいうパワーは腕力だけでなく、権力、財力、衣食住の手段など多岐にわたります。「…しなければ飯抜き」、「…できないなら出ていけ」など、今でもこうしたパワーによるコントロールは『しつけ』の名のもと、または家庭内の問題として生き続けています。パワーでコントロールされ育った子の多くは他者をパワーでコントロールし虐待が連鎖します。

プロジェクトの目的、取り組み

子ども虐待という悲劇を減らし、一人でも多くの子どもたちが「生まれてきて良かった!」と実感できることが目的です。取り組みは①24時間電話等相談、②母子の居場所、③訪問支援、④親の回復プログラムの4つです。いずれも、その人その人を大切にし、お母さん、子どもたちの伴走者として寄り添います。例えば母子の居場所では、温かい食事を提供し、お風呂にも入れ、洗濯をするなどして子どもに欠けている養育を補い、当たり前の暮らしを体験してもらいます。子どもの話を聴く姿勢を持ち、子どもを尊重する職員の関わりで、安心できる環境をつくり、正しい他者との関わりを学びます。

協働パートナーとその役割の一例

日光市の家庭児童相談室と密に連携を取っています。日光市の家庭児童相談室にNPO職員が3人関わり、子ども虐待相談に対応しています。長年の試行錯誤の協働の中で得られた信頼関係をもとに、すべてのケースの情報を共有して相談業務にあたるようになりました。だいじょうぶは相談業務と、実際の支援の両方に携わっているので、ケースの受け渡しが非常にスムーズです。また、市の相談員ではやりたくてもやれないことをNPOの相談員が実施するなど、相談業務の中での役割分担もなされています。

これまでの成果

居場所で自信を取り戻し、この春無事県立高校に進学することができた子がいます。また、ひだまりで当たり前の暮らしを体験するなかで、おむつをせずに小学校へ通えるようになった子もいます。また、ゴミ屋敷に放置されていた子に関わることで親御さんの一定の信頼が得られ、ゴミ屋敷の掃除に入り、ある程度清潔な環境の中で暮らせるようになった子もいます。実際の支援があることで、親御さんとの関係は良くなっていき、その関係が相談業務の方にもいい影響を与えていきます。 

県民への参加の提案と、参加の方法

・まずは、身近な子どもたちやご近所に住む母子に目をむけてやってください。今までよりもほんの少し優しく接してください。

・虐待が疑われる場面に出会ったら、遠慮せず市町村の家庭児童相談窓口か児童相談所に通告してください。

・だいじょうぶにあなたの持つ資源(寄付、食品や日用品の寄贈)を託すという方法もあります。

 あなたの力で、だいじょうぶの周囲で確実に、母子や子どもたちの笑顔が増えていきます。

■団体基本情報

団体名:特定非営利活動法人 だいじょうぶ

住所:栃木県日光市今市1659-10

ウェブ:http://www.npo-daijobu.com

メール:hope@npo-daijobu.com

電話:0288-21-2119

会員数:76名

設立:2004年設立   10  年目 

職員:有給職員 16名

    無給職員 1名

年間支出規模:2千万円~5千万円未満

活動分野:子ども・若者

団体活動内容

・子ども虐待に関する24時間電話等相談事業

・母子の居場所「Your Placeひだまり」、「高徳ひだまり」運営

・育児(家事)支援家庭訪問事業

・虐待してしまう親向けの回復プログラム

 「MY TREE ペアレンツ・プログラム」の実施

団体のミッション・ビジョン

子どもに対しての虐待、その他人権を脅かす行為から子どもを保護するとともに、子どもを取り巻く社会に対して子どもの人権擁護に関する啓発事業を行い、かつ関連機関とのネットワークによる子どもと家族へのサポート事業を実施することにより、子どもが安心して健全に成長できる地域環境づくり

社会に提供できる価値・貢献できること

・家で安心して過ごせない子どもたちを笑顔にする

・生まれや、環境に左右されない子どもの育ちを保証する

・子どもの置かれている現状とその背景、課題をお伝えする