「認定NPO法人うりずん」が行なっているレスパイトケア活動

認定NPO法人うりずん



■プロジェクトの背景

医療の進歩と共に多くの重症障がいをもつ子どもたちの命が救われているが、その結果、医療的ケアがなければ生きられない重症障害児者が急増している。しかし、支援制度が不十分なため、子どもたちの介護が家族に大きな負担となっている。 人工呼吸器などに依存する子どもたちの在宅生活では、日中父親が働きに出るため、母親が一人で介護を担う場合が多い。たんの吸引や栄養補給等は急を要するため母親は子どものそばを片時も離れることができない。そうした家族への支援は社会全体で行っていく必要がある。


■プロジェクトの目的、取り組み

重症障がい児者を日中預かり家族にひと時の休息と安心を提供するため、平成19年、在宅医療助成勇美記念財団の助成による研究事業として、のべ16人の人工呼吸器をつけた子どもを昼間預かった。小さな診療所でも人工呼吸器をつけた子どもの預かりが可能なことは実証できたが、ほぼマンツーマンの介護体制を組まねばならず経済的には採算がとれなかった。 この報告を受けた宇都宮市は事業の必要性を認め、新規事業「宇都宮市重症障がい児者医療的ケア支援事業」を創設した。 この制度を受託するため、平成20年、「重症障がい児者レスパイトケア施設うりずん」が誕生した。


■協働パートナーとその役割の一例

うりずんが取り組む重症障害児者と家族への支援事業の必要性が認められた結果、現在では、宇都宮市、日光市、鹿沼市、塩谷町が、それぞれに新規事業として創設した「重症障がい児者医療的ケア支援事業」を受託し、日中一時支援事業(レスパイトケア)と居宅介護事業を行っている。利用者と共に家族・きょうだいへの支援と地域との交流事業として「障がいのある子どもと家族の支援のためのチャリティージャズコンサート(宇都宮共和大学Tinyと共催)」や「クリスマス会(認定NPO法人サバイバルネット・ライフとNPO法人だいじょうぶとの共催。日本栄養給食協会の協力)」を行っている。


■これまでの成果

日中一時支援については平成24年度に23名の契約者(人工呼吸器装着4名、たんの吸引・経管栄養・導尿19名)があり、延べ726名利用、平成25年度は26名の契約者が延べ786名利用した。居宅介護については、平成24年度が8名の契約者に対して、535時間のホームヘルプを行い、平成25年度は6名の契約者に対して、276時間行った。しかし、日中一時支援を望む家族は多く、現行の施設と人員だけでは対応できないのが現状である。運営経費に関しても、委託料だけでは赤字となるため、寄付と賛助会費が不可欠となっている。


県民への参加の提案と、参加の方法

うりずんでは、医療的ケアが必要な重症障がい児者と家族を支援する活動を続けていくために、うりずんの運営を財政面で支える賛助会員と寄付者を募っている。また、地域との交流事業(クリスマス会、チャリティーコンサート等)へのボランティア参加も募っている。

■団体基本情報

  ・団体名:認定NPO法人うりずん

  ・住所:宇都宮市新里町丙357-14

  ・メール:urizn@hibari-clinic.com

  ・ウェブ:http://www.npourizn.org/

  ・電話:028-601-7733

  ・FAX:028-601-7733

 

  ・会員数: 715名

  ・設立年: 2008年設立(法人設立は2012年)

  ・職員数: 有給職員 7 名  無給職員 0 名

  ・年間支出規模: 1千万円~2千万円未満

  ・活動分野: 子ども 福祉 教育・人材育成

 

 

■団体活動内容

「家族の休息のために、介護の必要な障がい児者を一時的に預かること」これを、レスパイトケアと言います。
うりずんは、小規模なNPO等の事業所としては栃木県内で唯一の「医療的ケアを必要とする子どものレスパイトケア施設」です。

 

■団体のミッション・ビジョン

重い障がいをもつ子どもと家族が、当たり前の暮らしと自分らしさを手に入れるため、日中のお預かり、自宅での見守り、外出などのプログラムを提供し、「障がいがある人もない人も共に助け合える社会」を目指しています。

 

■社会に提供できる価値・貢献できること

うりずんは、重い障がいや病気を抱え、医療依存度の高い子ども等とその家族の地域生活を支援を行うことで、子どもたちの地域での自立と、家族が介護負担から開放されて健康な暮らしができることを目指し、誰もが安心して子どもを産み育てる地域づくりに寄与することを目的に掲げています。